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ー重量鳶工事とは?大型構造物を支えるプロフェッショナルの仕事を解説ー

重量鳶工事とは何か?初心者にもわかりやすく解説

重量鳶(じゅうりょうとび)工事とは、建設現場などで大型機械や重量物の搬入・据付・組立・解体などを専門的に行う仕事です。一般的な「鳶職」の中でも特に専門性が高く、クレーンや玉掛けなどの重機を扱う技術や知識が求められるため、現場でも非常に重要なポジションを担っています。

 

重量鳶の仕事内容

重量鳶の仕事は、単に重いものを運ぶというよりも、「安全に」「正確に」「効率的に」重量物を設置・移動させることが求められます。以下が主な仕事内容です。

* 大型設備(空調機器・発電機・変圧器など)の搬入・据付
* 工場やビルなどでの機械の移設作業
* 鉄骨の組立・解体
* 足場の組立・解体(高所作業)
* 重機を使った吊り上げ作業や運搬補助

これらの作業は、わずかなズレが事故に直結するため、事前の綿密な計画とチームワークが不可欠です。

 

一般的な鳶職との違い

鳶職にはいくつかの種類がありますが、重量鳶は特に「機械設備などの重量物」を扱う点で、以下のような違いがあります。

* 足場鳶:建設現場で足場を組み立てる専門職
* 鉄骨鳶:鉄骨構造の建物で柱や梁を設置する専門職
* 重量鳶:機械・重量物の搬入・据付がメイン

つまり、重量鳶は「設備系」の鳶職であり、ビルや工場、病院、商業施設などの設備導入に欠かせない職種です。

 

重量鳶工事が活躍する現場とその重要性

重量鳶工事は、さまざまな業種の現場で求められています。その理由は、重量物を安全・確実に設置するプロの技術が必要だからです。

 

工場・プラントでの機械設置

工場やプラントでは、製造機械や生産ラインを設置・移設する場面があります。重量鳶は、機械の重量や搬入経路を事前に確認し、クレーンやフォークリフトを駆使して安全に設置作業を行います。

 

大型商業施設やビルの空調・電源設備工事

商業施設や高層ビルでは、空調や電源設備などの大型機器が必要です。これらの機器をビルの屋上や地下室に運び入れ、正確に据え付けるのが重量鳶の役割です。

こうした現場では、人が直接触れられないような重量機器も多いため、吊り上げ作業や精密な調整作業が求められます。

 

重量鳶に必要な資格とスキル

重量鳶として働くには、専門的な知識と技術、そして安全意識が求められます。以下は主な資格やスキルです。

 

必要な資格

* 玉掛け技能講習
* 小型移動式クレーン運転技能講習
* 高所作業車運転技能講習
* フォークリフト運転技能講習
* ガス溶接技能講習(必要に応じて)

これらの資格は、重量物を扱う際の安全確保のために不可欠です。特に玉掛けやクレーンの操作は、重量鳶の基礎とも言える技術です。

 

求められるスキル

* 重量物のバランス感覚や重心を読む力
* クレーンなどの重機の操作に対する理解
* 現場での判断力・コミュニケーション力
* 正確な作業とチームワークを重視する姿勢

現場では一人で完結する作業はほとんどなく、他の職人や重機オペレーターと連携しながら進める必要があります。

 

重量鳶工事が担う社会的な役割とは

重量鳶の仕事は一見すると裏方のように思えますが、社会のあらゆるインフラや施設を支える、なくてはならない仕事です。

 

設備の「心臓部」を担う作業

例えば、病院の非常用発電機やビルの冷暖房設備、大型ショッピングモールの空調機器など、どれも重量鳶の手によって正確に設置されています。これがなければ、安全に機器を動かすことはできません。

 

緊急対応にも対応できる柔軟性

災害時などには、故障した設備の緊急交換作業が発生することもあります。重量鳶は、迅速かつ安全に復旧作業を行うことで、社会インフラの早期回復に貢献します。

 

まとめ:重量鳶工事は社会を支える縁の下の力持ち

重量鳶工事は、機械設備や重量物の搬入・据付・解体などを専門に行う高度な専門職です。現場では常に安全を第一に考え、正確かつ効率的な作業を求められます。そのためには、資格取得や技術の習得だけでなく、現場での経験やチームワークも大切になります。

建物の完成や設備の運用の背後には、重量鳶の存在があります。私たちの暮らしやビジネスを支える「見えない仕事」として、今後ますますその重要性は高まっていくでしょう。

2025.08.15